マンチェスターシティVSニューカッスル こんな日もあるよね
1月に復調しLiverpoolを猛追するcity、武藤と懐かしのマラガにいたロンドンがいる以外は特に情報を持っていないニューカッスルの対決。
監督は知将ベニテスどんな策をもってきているのだろうか。
メンバーは以下
5-4-1の構造とか利点とか
ハーフスペースという概念が浸透したのちに姿を現すことが多くなったと感じる
5-4-1システムの仕組みを見ていく
前提として
4バック(4-4ー2や4-3-3)崩しの定跡として個人的には3つ
- ライン間で受ける
- ハーフスペースの活用
- CBとSBの間を狙う
が存在し
この3つの手を同時に受けることが出来るのが最大の利点である。
ようは人が多いので守りやすいのである。
CB-SB間のお話
一人当たりの守るエリアが短いということは、カバーに入るときの移動距離が短くなる。よって相手にスペースを与えることなく守ることができるし、移動時に生まれるズレも少なくなるのである。
これで4バックの弱点の1つのCB-SB間を狙われることを防ぎやすくなっている。
3CBでのカバーリングもしやすい。
ライン間とハーフスペース
ボール保持を志向するチームにとってはキーとなる方法論の2つ
狙いとしては
『誰がプレスに行くのか曖昧な位置でボールを受けて守備の基準点を狂わせる』
とここでは定義したい。
簡略化するとライン間は横の列(DFラインとMFの間)でボールを受け、ハーフスペースは縦の行の間(SHとCHの間)で受ける感じ。
詳しくはfootballistaさまを参照しよう。
この手に対して
『人を増やすことでマークに付き続けることが出来る』
というのが5バックの利点である。
まぁこの辺があっさりとしたというか5バックの利点。
また5-4-1ではサイドのレーンに2人いる(昔のサンフレの3-6-1は一人)
ので敵のWGに対してマッチアップがはっきりするのである。
ライン間殺しにはDFラインとMFラインの圧縮や気合いマンツーマンなどの方法もあるがここではこのくらいで終わっておこう。
試合の概観とか
前置きが長くなってしまったが本試合をそろそろ見ていこう。
前半1分のマンチェスターシティの速攻が決まり先制するシティ。
大半の人はこの時点で大勝を予想しただろう。
ただ失点が早すぎたのでニューカッスルは逆に崩れなかったのかもしれない。
ザックリとしたマッチアップはこんな感じ。
ロンドンはボールホルダーにはそこまでプレスせず1列目のプレスは完全に捨てていた。ただフェルナンジーニョをひたすら見るというわけではなかったのでカウンター時の基点になることが一番のタスクだったのかもしれない。
ニューカッスルはSHがかなり中に入り、CHがシティのCBやフェルナンジーニョにプレスに行くときは中に入ってカバーするなど中央~ハーフスペースをかなり警戒していた模様。
IHのライン間受けにはかなり高い位置までCBがプレスすることと、単純にMFラインと最終ラインを狭めることで対応する。
前線はロンドン1枚なので、シティは1列目のビルドアップが楽に行える。
そこから先ミドルサード~ファイナルサードへの崩しに焦点が当たりそうな展開。
シティのビルドアップ
開始早々に先制し余裕を持ちながら攻め込むシティ、まずはビルドアップを見ていく
相手はロンドン以外の9人でブロックを引く撤退守備、なのでビルドアップではあまり数をかけず2~3人での組み立てがメインとなる。
相手が来ないならと、シティの両SBは一列上がり2-3-2-3のような形に移行する。ニューカッスルはSHがかなり中よりにポジションを取ることで対応を試みていた。
シルバとデブルイネは基本ライン間を狙いながら相手のSHやCHと駆け引きし、サイドやハーフスペースの入り口でボールを受ける。
この辺りは相手の位置を見ながらプレーしており面白い。
一例は以下
SHが中に入る動きをみて空いたスペースでIHが受ける。
デブライネもこの動きは行っていた。
シティの攻め筋
ミドルサード進出を目指すシティは
- IHのライン間でのボール受け
- WGへの付けるパス
- アグエロの降りる動き
で局面を動かしに行く。
ライン間はニューカッスルもかなり警戒しており、SHCHCBの間のエリアをできる限り圧縮していた。
そのためかもしくはコンディションのせいかライン間でややシティはミスが多く、攻めきれなかった原因の一つと推測できる。
ライン間が詰まっている&SBのマンマークにより、サネとスターリングはマークされる(もしくは対面に敵がいる)状態でボールを受けることが多く中々良さを出しにくかった。
個人的に一番何か起きそうなのはアグエロのワークであった。
アグエロはIHのシルバやデブライネが空けたところ(ハーフスペース辺り)に降りてボールを受け攻撃を進めていく。
逆側のIHが変わりに入るものの、ピン止めの効果が下がるので攻撃の奥行きは減るのはトレードオフだろうか。
決定機は作れていたので戦術を叩くのはやや結果論的かもしれない。
ただグアルディオラはかなり抱えており不満の残る前半であった。
後半の様相
相も変わらず攻めたおすシティは65分にデブライネに変えてBシウバを投入
狙いとしては降りてくるアグエロのスペースに飛び込む部隊だろうか。
まぁデブルイネも良くはなかったが。
66分に同点弾を食らってしまうシティ。
このへんでDAZNの1週間が来てしまいタイムアップ。
ジェズスをいれたようなのでバルセロナ4年目のメッシトップ下ビジャCFを思い出した人も多いだろう。
後半に勝ち越し弾を決められ沈むシティであった。
感想
シティはそこまで悪くなかったと個人的には思いまする。先制後も自分たちの狙いを持ち5-4-1を破壊しにいっていた。ただ簡単なミスや呼吸が合わない場面が多く、連戦の影響もあったのかもしれない。前半の決定機が決まっていれば。。という試合であった。
対するニューカッスルは先制されるのが早かったからか失点後も集中を切らさなかったのがよかった。格上が決定機を外すことで勇気が出てくるのは典型的なジャイアントキリングパターンである。2列目のSHがCHをカバーする形が個人的に面白かった。
5レーン中の中の3レーンは使わせないぜという感じだろうか。
fin