理系院生徒然草

理系院生の試合備忘録

サッカーのマッチレポ

レアルマドリー対セビージャ マドリーの柔軟性

前節ベティスに勝利したレアルマドリー

6バックも厭わない姿勢に驚かされた試合であった。

対するは今季首位に立ったこともあるセビージャ、バネガのアンカーがハマっているそうな。

勝ち点差は無く得失点差でセビージャが上の順位となっている。

メンバーはこんな感じ

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メンツ

中盤の攻防を制すること

まず最初にセビージャの狙いから見ていく

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セビージャの攻撃

コンテ時代のユベントスもこんな感じだったのだろうか

バネガが配給し攻撃を組み立てる。ただバネガがショートやミドルパスがロングボールより得意なのでグラウンダーで前線に付けてさいどに展開するシーンが多かった気がする。

対しするレアルの対策を見ていく。

まずはレアルの守備について

 基本はボール保持で攻めていくので回数は多くないが、連携したプレスとボールを失った後の守備(ネガティブトランジション=ネガトラ)が素晴らしかった。

プレス編

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マドリーの守備

3バックに対しては3トップでプレスにいくのだがそこまで強度はなかった。

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取り切る

セビージャの最終ラインは基本バネガやIHにパスをつけるのだが、そこに対してマドリーのIHが厳しくプレスし、FWもプレスバックすることで中盤でボールを奪取したり、パスコースを制限することでミスを誘発させていた。

ベンゼマバスケスはプレスバックの貢献が高く、ヴィニシウスも守備を行うのが印象的。

レアルの連動して前からハメていくプレスにセビージャの中盤の選手は簡単なミスが増えてボールをなくしたり、奪われる場面が多い。

ネガトラ編

この試合でマドリーの狙いとして一番強く感じたかもしれない。

前線のトリオは失ったあとの切り替えが素晴らしく、遅らせると後ろから中盤が飛んできてボールを奪取していた。

またバネガのワンアンカーなのでボールを失ったあとアンカー脇からボールを運んだり展開したりと狙い通りっぽかったマドリーである。

サラビア、Fバスケスのロストが多く、バネガも素早いプレスの前にパスの精度を欠く。

 中盤をレアルが制圧したことにより前線やサイドがいい形でボールを得ることが出来ず苦しくなるセビージャであった。

こうしてレアルがボール保持しセビージャがカウンターを狙う構図になっていく。

マドリーの攻撃

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初手もしくはファーストステップ

 

ビルドアップでは両IHが主役、相手のスリーセンターの間や脇でボールを受け前進する。またバネガの横に顔を出すベンゼマによってボールがつながっていく。

IHやベンゼマの動きは基準点ずらしである。

基準点とは自分の考えでは守備時の場所とタイミングの事を指す。

このエリアは捨てるけどここまで来たら寄せよう、とか後ろが揃っていない今はいかないけど揃うタイミングで寄せよう!!みたいなイメージである。

チーム全体の決め事である。

相手の基準点を試合序盤に把握し、変化をつけて動ける選手はいい選手なのではないだろうか。

モドリッチはこの基準点把握⇒ずらそう!がめっちゃうまいと思う。

5-3-2のDFだと2トップの脇、IHの横、アンカー脇などが基準点があいまいになりやすいエリアなので、その辺りをうろちょろされるのは中々ダルそうであった。

この辺りの場所はハーフスペースの入り口と言うのかもしれない。

次の手を見ていこう

ミドルサードアタッキングサードでは左右でやや異なる。

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右サイド

 

右サイドではバスケスのフリーランでスペースを作り、空いた所にベンゼマやカルバハル時々モドリッチが走り込む。

5バック崩しの定跡であるサイドCBを動かそう!である。

左サイドでは新星ヴィニシウスのドリブル突破がメイン

基本は放置プレイで細かいステップと加速力で相手を抜いていく。パスもできるのだがまだタイミングが合わない場面が多く横パスをカットされることも多かった。

ただケアーの奮闘や5バックのカバーリングの嵐により定位置攻撃では中々決定機を作れないマドリーであった。

セビージャはマドリーのプレスを交わすと決定機を創れたのでなんとか突破したいところ。前半の途中からはプレスが緩んだこともありバネガが空き、縦パスから何かが生まれそうではあった。

セビージャの変更

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セビージャの変更

後半からセビージャが守備の位置を変更する。

エデルが左サイドに行き5-4-1にすることでマドリー使っていたスペースを埋める。誰が行くのかはっきりしないなら、配置しようは論理的である。

ここで動きだすのはやっぱりモドリッチ

ビルドアップの負担が減りことにより高い位置に顔だすよになり、後ろで引き出してから運ぶドリブルで攻撃を牽引していく。

 結局攻められるし、なんならカウンターもできひんやんけとなったセビージャは再び2トップに変更する。

 サイドを変えたりとピッチを広く使いながら攻めるマドリーに対して疲労が出てくるセビージャ。特に3センターはサイドチェンジの後カバーの距離が遠くなりバイタルが空きやすくなっていった。21分のセバージョスのミドルが一例でのちの先制の布石となっていた。カリーソがキレていたのが印象的。

マドリーはネガトラもよくセビージャは全くカウンターが出来ない。

セビージャは2トップを変える。

32分サイドから中央につないで寄せが少し空いたところでカゼミロのミドルがさく裂し先制。

どうしてもサイドに出るとバイタルが埋めきれなかったことを詰められた模様。

まぁ距離もあったのでカゼミロがスーパー過ぎた説もある。

その後モドリッチが決め2-0でマドリーに軍配が上がる。

雑感とか

結局つよやんけマドリーという感じ。2CBとGKがヴァラン、ラモス、クルトワでは事故の起きなさそう感がすごかった。3トップが3バックに同数でプレスできるのもCBが最強という前提から来ている模様。

ダニセバージョスは好印象でボールを引き出すのが上手く密集でも失わないテクに身長もあるのでいい素材すぎる。

モドリッチは本当に相手を見ながらプレーしており、自身の動きで相手も動かせるしプレーも精度も抜群で流石バロンドーラーである。

セビージャは中盤が制圧されたのが痛かったか。サラビアとFバスケスでが攻撃で上手くいかないのなら守備的な人のほうがよかったのかもしれない。

ケアーは印象的であった。

終わってみればレアルに完勝だったかな。

FIN