理系院生徒然草

理系院生の試合備忘録

サッカーのマッチレポ

PL マンチェスターシティ対リバプール 決戦の地はエティハド

首位リバプールと勝ち点差7で追う2位マンチェスターシティ対戦。スタジアムはシティのホームエティハド。

いわゆる6ポイントマッチでこの後のプレミアの覇権争いの行方を左右するビックマッチであろう。

前節はアーセナルを粉砕したリバポ、3トップがエグくカウンターの権化のクロップ監督。

対するは自身が主導権を握る戦いしかしないペップのシティ、前節はサウサンプトンに勝利している。フェルナンジーニョの復帰が大きい模様で、Bシウバが好調な感じ。

メンバーは以下

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スタメン

シティは左SBにラポルトを起用、メンディとデルフが使えずジンチェンコは前節致命的なミスをしたので使えずと妥当な采配か。

サネが入り、マフレズが外れている。CBはコンパニ御大が入る。

リバプールはベストメンバーかと。3トップは相変わらず強烈、控えも揃ってきており充実を見せる。

外的要因がピッチに与える影響とか

プロの試合の、それもリーグ戦において1試合が独立していることはほとんどなく(開幕戦と消化試合ぐらい?)基本的にはそれまでのリーグの結果の影響を引きずりながらゲームが行われる。極端な例だが日本対ポーランドのように負けていてもオッケーな状況すら起きうる。

前述した通り勝ち点差が7開いており、しかもエティハドということでリバプール的には引分けでもオッケーというゲームだった気がする。

対するシティは絶対に勝ちたいが負けるとほぼゲームオーバーなのでそこまでリスクを冒したくはない、というところだろうか。

両チームの思惑やら狙いやらがかみ合った前半から見ていこう。

シティのポゼッション位置とリバポのプレス(試合序盤)

キーパーを使いながらボールを保持し攻撃をしていくシティとプレスからのショートカウンターが最大の狙いのリバポ。

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試合序盤

リバポの3トップは前回対戦やナポリ戦のようにペナルティエリアやキーパーまでプレスをかけることはせず、パス回しに合わせて徐々にプレスの網を狭めていく形。

フェルミーノはCBに掛けるよりはフェルナンジーニョへのコースを切りながらプレスし、WGは外のSB切りでプレスをかけていく。

プレスが弱いわけではないのでシティは簡単にはパスを回せるわけではなく、試合序盤はIHやヘンダーソンも機を見てプレスにいき強度やテンションの高い試合となっていった。

シティはBシウバが降りてボールを回したりするも、リスクを負いたくないシティはロングボールを左右に振りながら前進、その分中盤では中々ボールは回らなかった。

激しい試合展開のなか存在感を示すのはフェルナンジーニョ、危険な位置を察知してボールを狩れるのでトランジションでそこまでリバポにやられなかった印象。

そんな中でも17分中盤で上手くプレスを交わしたサラーがフェルミーノとワンツーしマネへスルーパス、マネのシュートはポスト直撃でクリアがエデルソンに当たりあわやオウンゴールも何とか回避。

リバポの攻めとシティの守備

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シティの守備

前半はそこまで数は多くないがリバポがボールを持ったときのシティの守備を見ていく。一枚のIHは必ず1列上がりCBに当たる。もう一枚はアンカーについて

4-3-1-2の形でプレスをするシティ、3の両サイドがサネとスターリングで怪しそうなの形。

SBにボールを出されてIHが絡むときに逆サイドのWG(サネスターリング)があまり間に合っておらず危ないのだが、フェルナンジーニョのカバーで何とかしていたのは計算通りなのだろうか。

この時のベルナルドシウバの運動量は異常、CBが持つとほぼ全てプレスに行くので恐ろしかったぜ!

ペップがちょくちょく行なっているこのシステムはあまり上手くいっている印象はないがそこまでつないでこないリバプールには有効だったのかもしれない。

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リバポの攻め

リバプールのビルドアップは

  • SBからの斜めのパス
  • フィルミーノの列を降りる動き

の二つが基本線

右SBのアーノルドはセンスを感じさせる斜めの楔のパスでビルドアップに貢献し、フェルミーノがフェルナンジーニョの周りをうろうろすることでいH受けるのを助けたり、自身が受けてさばいていた。

 またロバートソンから逆サイドのアーノルドへのサイドチェンジもアクセントとなっていた。

サラーの裏へのロングボールが少なかったのは意外だったが。

アグエロスターリングとIHの仕組み

徐々に試合が落ち着きはじめボールを保持する位置がやや高くなってくるシティ、

そこで登場するのがアグエロさんとスターリングだった。

Dシルバの調子が悪くロストが多いなかでアグエロが上手くボールを引き出しており、

主に左のハーフスペース付近にIHと連動しながら降りてボールを捌き攻撃を進めていた。

右サイドではスターリングがロングボールで抜け出したり、ハーフスペースでパスを受けることで時間を作り、ドリブルやパスでボールを落ち着けることに一役買っていた。

  • IHのお仕事

シティはIHの仕事は幅広く動いてボールを受けることなのだが、Dシルバはリバポの中盤の背後を狙うようにポジショニングし、Bシウバは降りることで相手中盤の前で受けることが多い。Bシウバは叩いてから必ず動き、シルバもSBへ抜け出したりと突破口を探すシティであった。

シティの初シュートが25分と中々攻撃が上手くいかないまでもなんとかボールは保持していたシティ。

40分天下のアグエロさんのゴラッソで先制する。アグエロのニア上は本当に上手い。アシストはベルナルドシウバでこぼれ球を上手く拾ってからいい反応であった。

その後若干シティの重心が下がるもそこまでピンチはなく前半を1-0で終える。

点差がピッチに与える影響とか(後半)

前半に比べてSBの位置が高くなっていたように感じるリバポ。

両SBが上がり攻撃に厚みを持たせていく。

45分~55分まではシティに支配率が60パーセントとボール保持しながら進めていく。

リバポの選手交代とフォーメーションチェンジ(55分)

ミルナーファビーニョ と交代しワイナルダムが左にでてフェルミーノがトップ下サラーがワントップ、マネが右になり、ヘンダーソンファビーニョのダブルボランチに変更する。

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リバポの変更

この変更には個人的な仮説があり

  • CBとアンカーの三枚に同数でシティがプレスしてくるので4枚に増やし自陣のビルドアップの安定
  • 両SBの攻撃参加のリスクを減らし、どちらも上がる攻撃をより増やす。

SB間のロングパスしたりしながら試合を進めていき、64分アーノルドからロバートソンへのロングパスから折り返してフェルミーノが決めて同点に。

大外視野リセットの定番の形。

Dシルバ⇔ギュンドアン ギュンドアンはシルバよりは低い位置でプレーし。シティも4-2-3-1と変更の模様。

狙いは枚数調整かなとも思ったり。

ただシルバの調子が悪そうだったゆえの交代である気もする。

70分エデルソンのクリアを拾ったダニーロからスターリングに縦パスが入り、サネへとつなぎゲット。

ポジトラからの綺麗な速攻、しっかり繋ぐエデルソンに、起用に答えたダニーロと取った後も蹴らない意識が大切だなと改めて教えてくれるゴール。スターリングのハーフスペース受け、アグエロの釣る動き、サネのシュートも見事。

最終盤の攻防

改めて、試合ではリーグの勝ち点差と点差というパラメータ(変数)から主にピッチでどう振る舞うのかが決定される。

  • シティは引分けでもキツい
  • リバポは引分けでOK

この状況からリバポのシャキリ投入のタイミングやどれくらい前がかりになるのか、対するシティはプレーの仕方プレスや位置DFラインの高さが決まっていく。

シティに単純なクリアが増え、マネ⇔シャキリの交代が実行される。

ワイナルダムを残してバランスを取り、追加点を与えないようにしながらゴールを目指すリバポ。

前プレを強めるリバポに対してカウンターでチャンスを作るシティ。80分ごろにはシティ全員下がる場面すら発生していた。

リバポはアーノルドを起点に攻め込んでいくも崩しきれず、スターリングのカウンターからアグエロの決定機。

85分 ラポルト⇔ウォーカー 最初は左に入るもやりにくかったのか右に移っていた。

コンパニ⇔オタメンディ フィルミーノ⇔スタリッジ

ギュンドアンはかなり高い位置までマークを追っていくのは指示通りなのだろうか、スペースを開けていたような気もするが、引きすぎるのを嫌ったのかもしれない。

 アディショナルタイムではダイクを上げパワープレーにこのあたりは戦術もクソもない模様。放り込みまくるリバプールと15試合分ぐらいクリアをしまくるシティ。

なんとか逃げ切って2-1で終了。面白くなるプレミアであった。

雑感とか

試合の強度とプレーの質、監督の采配、バイブスと今シーズン屈指のベストバウトであった。シティの勝因は結局フェルナンジーニョでリバポ得意のトランジションを防ぎ切ったことであろう。ナポリ戦やアーセナル戦のように中盤中央からの速攻を見られなかった。個々で見ても前述のフェルナンジーニョ、ボールを運びカウンター定位置攻撃どちらも行けるスターリング、ボールを受け続けゴールも決めたアグエロ、無限に走る(脅威の13.7Km)Bシウバ、要所で締めたコンパニとそれぞれの役割を全うしていた。

リバポはサラーが不発で3トップは中々仕事が出来ず。アーノルドのパスの先のアイデアが少なかった。シャキリはもう少し早くてもよかったのかもしれないが結果論かな。

ポジトラを封じられると中盤の選手のキャラクター上どうしても手詰まりになってしまうが、シーズンを通して「戦略」としてはある程度捨てる計算なのかもしれない。

お腹いっぱいの試合。

fin

 

 

 

 

PL マンチェスターシティ対レスター シティの誤算とレスターの奮闘

リーグカップでは引分けでPKでの勝利となったレスターとの再戦。

前節先制しながらもクリスタルパレスに敗れたシティとチェルシーに勝ったレスターとの一戦、筆者の好きな岡崎は出ていないどうやらヴァーディがワントップの451がハマっている模様。マディソン、ヌディディがいいらしい。

メンバーは以下

 

 

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鉄人ウォーカーがスタメンから外れている。WGはサネ、スターリングであるがどのような形を用意しているのだろうか。

シティの攻め筋

基本はシティがボールを持つ展開、レスターは4-5-1で最前線のヴァーディ以外は引く形で、中盤中央の三人は平行な高さを維持しアンカー脇およびハーフスペースを閉鎖する。

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今季のシティの大まかな攻め筋の一つに密集(オーバーロード)と孤立(逆サイドでのアイソレーション)が挙げられるがこの試合では両WGが開いて左SBのデルフが中に入り3-2-2-3で試合を進めていく。

あくまで印象だがオーバーロード側のIHはシルバが多く、アイソレーション側はデブルイネ、Bシウバが多い気がする。

この形は引いてくる相手に使う印象があり、筆者の見た試合だとVSホッフェンハイムの後半などが挙げられる。

 

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狙いはざっと

攻撃時
  •  両WGの質的優位を生かして攻め込む&ピッチを広く使うことで相手の陣形を広げて守りにくくする。
  • デルフが内に入ることでのポゼッションの安定
  • 広げた陣形に対してIHの抜け出し、およびCFの受ける動き
守備時
  • デルフを内側におくことで一番危険な中央のレーンからの逆襲を防ぐ
  • ネガトラ時のに素早くプレスしボールを回収する。

てな感じ。もっといろいろな設計があるのだろうけど。

デルフの偽サイドバックギュンドアンがアンカーなのも理由に一つだろう。アンカーでのプレーはいい印象がなく守備で食いつきすぎる傾向がある。

状態が悪そうなシティ

左右のWGとIHを絡めながらボール保持で攻めるシティとひきこもるレスターの構図、ただレスターのCBがTHEプレミアリーグといった二人でクロスとコーナーキックからは点が入りそうな気はしなかった。

ならばとサイドを織り交ぜながら中央から崩すシティ

13分デブライネの動きにつられたモーガンの裏をついたBシウバにアグエロがフリックで落としてゲット。

シティらしい定位置攻撃からのゴールである。

ラポルトのドリブル時に右サイドでのスターリングの動き出しでラインを下げたのも秀逸。

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ただその後のシティはいい試合運びをみせることが出来ない。

一つの理由としてネガティブトランジション(攻撃から守備、いわゆる切り替え)

で後手を踏んだことである。レスターも繋ぎが上手く、プレスを交わしていくがそれ以上にシティの守備の強度が上がらずハマらなかった。

特にサネとデブルイネはいまいち守備が軽い印象を受けた。

デブライネはBシウバがCBにプレスに行ったときのマーキングがあいまいで、サネは対面のSBへのディフェンスが緩いように見えた。

18分ファウル気味のタックルからレスターのカウンターが発動し、ヴァーディの左からのクロスにデルフの裏を取ったオルブライトンがゲット。

デルフの裏のスペースは可変システム上発生してしまう箇所であり人体の関節部のようなもので、突かれると弱い。

デルフは攻撃時は中央にいるが右SHは中にはいるのでマークにつかなければならなず、この時のポジションの移動間にどうしても隙が出来てしまっていた。

このポイントはたびたび狙われていた。

レスターのフォーメーション変更

前半の31分 プレスがハマらないシティに対してレスターのピュエル監督は恐らく二つの事に気が付いたのではないだろうか

  • ギュンドアンの守備が怪しく、ここに基点が出来そう
  • 思った以上に繋げるやん(シティの守備の強度不足)

そこでマディソンにメモを渡しフォーメーションを変更する。

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マディソンがボールを捌けるのでうまくつなげることが出来るレスターである。

39分にはチョードゥリーがデルフの裏を突き決定機も作っていた。

それでも流石はシティ、36、37分にレスターのミスからデブライネーサネのラインで立続きにに決定機を作るも決めきれない。

この辺はさすがデブライネでトランジション時の判断の早さと正確性が異常であった。

互いに決めきれず1-1で前半を終える。

シティが攻めあぐねた理由の一つにはサネが対面のぺレイラに一対一でなかなか勝てなかったことが大きい。システム上優位性を計算していそうなエリアで勝てなかったのは誤算だったか。

またSHのプレスバックとセンターハーフ、CBのカバーリングを素早く行うのでWGであまり崩せない。

オルブライトン走力は異常。

思っていた以上にレスターはいいチームで個々の技量も高い。

後半 苦戦が続くシティ

システム変更とはいかないがダニーロが一列上がって2-3-2-3のような趣のシティ。

グラウディオラ総論で触れられていたシステムで、SBが中に入りポゼッションの安定と被カウンター時に中央の一番危険なレーンを埋めることが狙い。

前半に引き続きボールを保持しながら攻め込むも崩しきれないシティ。

変わったことはWGがボールを持ったときにHの二人が近くに寄る動きよりはSBとCBの間を抜ける動きが増えたことだろうか。

 

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WGが単独ではなかなか抜けないのでサポートを増やすも、精度が伴わず。

レスターはマディソンを中心に上手くボールを回すもシュートまでは行けない。

デブルイネーシルバと交代

シルバは怪我のため体が重そうでターンにキレがなく、細かなミスも多かった。

チャードゥリー ー グレイ マディソンーシンプソン と交代しグレイがトップ下、ぺレイラを一列上げて右SHにしシンプソンを右SBに。

膠着状態が続き81分CKのこぼれ球をぺレイラがゴラッソ。

Bシウバーマフレズ、ヴァーディー岡崎

その後も点は奪えず、デルフの一発レッドでゲームオーバーなシティであった。

雑感やら振り返りやら

これでリーグ戦連敗となったシティ、パレス戦は見ていないがチェルシー戦と見比べるとサイドで優位性を得られない場面が多いかなと。

レスター戦は両失点共に不運であるが、点が取れなったのはかなり痛かった。

WGに対してDFが網を張っており、そこを突破できていない印象。

守備も軽くプレスがハマらないのでいい形でカウンターを繰り出せず、その分定位置攻撃の威力も減少した形。

レスターは奪った後交わして一息つけるので、その分後半まで疲弊することなくゲームを進めることが出来た。

レスター戦は両失点共に不運であるが、点が取れなったのはかなり痛かった。

全体的にコンディションが悪そうな選手が多く、これはペップの意図したものなのだろうか。バルサ時代冬に一度コンディションを落としCLのトーナメントに照準を合わせる戦略を取っていたので、今回もその戦略かなとも思ったり。

サネは何となく不満そうで気になりました。

レスターは印象的な選手が多い。

両SBがよくぺレイラはサネを封じて点まで取り左のチルウェルはボールの持ち方がよくビルドアップで貢献しDFでもスターリングを苦しめた。

メンディヌディディコンビもDFとボール回しともによく、マディソンは素早いターンなど確かなテクニックであった。ビッククラブが狙うのもわかる。

岡崎はエネルギッシュな働きも、今のレスターではスタメンは厳しそうである。

移籍かなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マンチェスターシティVSチェルシー サッリの対策

無敗で突き進むペップ率いるマンチェスターシティとナポリを躍進させさせたサッリが率いるチェルシーの戦い。

シティは今シーズンよく見るチームでチームの完成度が伺える。

一方のチェルシーはあまり見ておらず、なんでもボールを保持するサッカーに移行したとか。ジョルジーニョを封じられると厳しいようであるがどうなるか。

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両者ともに基準点型のトップではなく本職はWGの選手が起用されている。

前半 俺たちはボールが持ちたい。

今シーズンのスタッツや試合からわかるようにお互いにボールを保持したい両チーム。

この試合ではシティが持つことが基本となるゲームとなった。

GKのエデルソンも参加しながらビルドアップするシティに対して、チェルシーはエリアにと試合の時間帯によって守備の仕方を変えることで対応していた。

チェルシーの守備

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2のときの守備
  1. シティがボールを前進しCBがハーフラインでボールを持つときはアザールをワントップにした433でのブロック守備
  2. PAほどまで下げたときにはIH(基本はコバチッチ)が1列前にでてCBにまでかけハイプレスを敢行していった。フェルナンジーニョにはジョルジーニョが高い位置までプレスをかける。

2については試合序盤に多く見られ試合が進むににつれていかなくなった。

シティのIHが降りずにCBとアンカーの3枚でシティがボールを前進させているときはアンカーのジョルジーニョフェルナンジーニョまで当たりに行く。

この形はマンUも行っており、Dシルバに空いたスペースを使われまくって崩壊したが

 

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この試合ではカンテがマンツーマン気味につく対策を行い、簡単に崩されるシーンは少なかった。チェルシーの右サイドの三人(ペドロ、カンテ、アスピリクエタ)は個々での守備力が高く、シティの左で手数をかけて崩すという手を封じ込めていた。

特にペドロは運動量豊富でプレスだけでなくプレスバックもさぼらず行い素晴らしい貢献を見せていた。

試合が進むにつれて守備のやり方を変化させていくチェルシー

試合序盤からのチェルシーのプレスの変化は

  1. 高い位置でもアザールフェルナンジーニョへのパスコースをふさぐ
  2. シティCBがボールを運んでくると、チェルシーのIHが当たりに行く。

 プレスをかけ続けるよりは試合を落ち着かせるチェルシー

CBがアザールの脇のラインまでボールを運ぶとIHが寄せにいく。

IHがでるタイミングはチームで何か約束事がありそうであり、時間帯やIHのマークの動き、CBの位置などによって判断していたのだろう。

ここからはシティを見ていく

シティの仕組み

基本姿勢はボールを保持しながら殴り、失っても素早くプレスをかけて奪い返しまた殴るというもの。

試合序盤のチェルシーのハイプレスにはキーパーのエデルソンを使って交わしていくシーンが多い。

相手GKがプレスに参加しないので、フィールドは実質11対10でしょ?という考え。

低い位置でのビルドアップではシティのIHの非対称的な動きで対応していた。

  • シルバはカンテがマンツー気味なことを察知しあまりおりない
  • シウバはフェルナンジーニョの脇へおりてビルドアップの出口になる

シウバを経由しながら前線にボール運ぶシティであるが中々崩すことは出来ていなかった。理由は前述したようにシティの左サイドが崩せなかったことだあろう。

シティのストロングサイドである左が崩せないことによって、左サイドに人を集めてから右サイドに大きく展開し簡単に崩すという手が打てなくなっていた。

またチェルシーがシティの対角線へのロングボールを強く警戒していたこともあり、トラップ際を狙われて攻撃を上手く進めることが出来なかった。

スターリングがサイドに流れながら起点を作ろうとするも、ゴール方向に向いていないので激しく当たれるチェルシー

マフレズは中に入っても仕事ができそうな雰囲気はなく手詰まりとなっていた。

またデルフもそこまで攻撃力があるわけではなく、サネがアスピリクエタに勝てないので起点ができないシティであった。

そしてカウンターからカンテに決められるシティであった。

後半は割愛なのです。ダ・ゾーンの視聴期間。。。

雑感

無敗が途絶えたシティがここからレスター、パレスに敗れるとは思わななかった。。。

その辺をレポしていこうかなと。

今年も需要があるかはわかりませんがマッチレポを細々と書いていきたいと思います。

よろしくお願いします。

 

リバプール対ナポリ 10倍界王拳リバプール

死のグループCでの大一番、舞台はアンフィールドで勝たなければ突破がないリバプールと引分けでもいいが負ければ首位陥落となるナポリの一戦。

ナポリにとっては引分けでもいいという設定はどのような影響をチームに与えたのだろうか。

メンバーは以下

 

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お互いにいいメンバーが揃っている。ナポリは初見でアンチェロッティに代わって

ジョルジーニョを引き抜かれ、バランスを整えるために2センターに移行した模様。

試合前のアンセムをかき消すリバプールファンは圧倒的でリバプールに力を与えているように感じる。

いけいけリバプール

点を取らないと敗退となるリバプールがまず仕掛けてゲームの主導権を握る展開となった。

試合開始からアクセル全開でプレスを飛ばしていくリバポ。PSG戦では鳴りを潜めていたプレスが復活させ、GKへもガンガン行こうぜな模様。

計算としては奪ってカウンターもよしロングボールを蹴らせてもインシーニェ&メルテンスコンビにはダイク&マティプコンビで勝てると踏んでいたのだろう。

スコアが動く32分ぐらいまではリバプールのプレスの強度が落ちず、従ってかなり強度の高い試合となった。

リバプールの守備は寄せのスピードが速く、パスが出た後も二度追い(時には三度追い)でコースを限定し奪っていく。

特にスゴイと感じるのは自身のマークを捨てて奪うに行く状況判断(もしくは決断ともいえる)の速さであろう。

普通のチームなら一回後ろを見るなどして、プレスに行くか行かないかの判断時に敵に時間を与えてしまい剥がされてしまうことがあるが、リバプールは半自動的にマークを捨ててプレスに行くのである。

チーム全体でボールホルダーにプレスに行くことを前提に設計されており、捨てたマークを後ろの選手が拾いながら前進し相手チームを押し込んでいく。

そのプレス網を掻い潜られても最強のファンダイクがいるので何とかなるという計算であろう。

またこの試合ではプレスバックの意識も強くマネやフィルミーノも守備の意識の強さをみせ、ミルナーワイナルダムロバートソン豊富な運動量で強度の高いスプリントを連続で行うことで守備を成功させていた。

この守備の前にナポリは沈黙し、なかなかボールを前進させることが出来ないナポリ

寄せのスピードの速さにミスが増え上手く繋げないことが多い。

そんな中でもCHのアランは体の強さとテクニックが両立しており、試合が進むにつれて存在感を発揮しボールを上手く繋げていた。

 

 ナポリとしては2トップを上手く使いたいのであろうが、なかなかいい形で渡すことが出来ない。渡せても中央が厚く、サイドにFWの1枚が流れるれる形が目立った。

リバプールの攻めでの狙いは主にサラー、フィルミーノを活かすような仕組み

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またサラーへのロングボールは陣地を回復する効果もあり、繋がらなくてもハイプレスに移行し二次攻撃ができいい手段であった。

この試合ではCBがボールを持ったときにIHの二人がSBの位置に流れて受ける場面がほとんどなく、CBやSBは簡単に前のサラー、フェルミーノときどきマネにボール渡しそのこぼれ球(セカンドボール)に突撃する。

サイドバックは浅めの位置から逆サイドのCB-SB間を狙うことが多く、8分の決定機や9分にミルナーなどをみる限りナポリのウィークポイントとして狙っていたのではないだろうか。

そんな攻撃の中で繰り返し見られるのはクリバリ対サラーであった。

適切なカバーリングと身体能力で存在感を発揮し、残念そこはクリバリと水際で防ぐ場面が多くあった。

リバプールのダイクも圧倒的で残念そこはな場面が多い。世界でも1,2位を争うCB同士である。

 

スコアがゲームに与える影響とか

リバプールペースで続く中32分サラーが抜け出しクリバリをちぎってゴールを奪う。

ハイテンションで入ったものの得点が奪えずやや焦りが見えつつあったリバプールには大きい得点であった。

スコア後にややペースを落としゲームを落ち着かせるリバプール。大きな変化は前線の3枚がナポリの最終ラインにプレスをそこまで掛けなくなったことだろう。

37分にはちぐはぐなミスからナポリに決定機を与えてしまう。

このあたりからようやく自分たちのペースで持ち始めるも、CBの圧力に2トップが収められない。

リバプールは攻から守への切り替えをだれもサボらないのでアラン以外だと、どうしても蹴っ飛ばしてしまうナポリであった。

 

いざ後半へ

前半よりもファビアンが中に入りインシーニェがサイドに流れる形が増え始める、インシーニェから逆サイドへのスルーパスでチャンスを作る。

点が必要になったナポリは2トップがハイプレスをし始め主導権を握りに行く。

しかしナポリは1列目と2列目の距離が延びてしまいいい形でボールを奪えない。

理由はふらふら落ちてくるフェルミーノを捕まえきれず、CH二人が困ってしまう場面が多い。

前半よりもファビアンが中に入りインシーニェがサイドに流れる形が増え始める、インシーニェから逆サイドへのスルーパスでチャンスを作る。

前半よりはペースを落としつつもボールを奪われた後などは、激しくプレスに行くリバプール

ミルナーが全力で寄せてきながら、後ろからマネがプレスバックしてくる瞬間はボールホルダーは悪夢だろう。

ジェリンスキ、ミリク、グラムを投入し主に左サイドから変化をつけながら攻め込むナポリ

70分ぐらいからはナポリが前がかりになり、リバプールのカウンターが増えていく。

3トップでの高速カウンターから幾度となく決定機を作るも、リバプールが決めきれなかったことは引分けでも勝ち抜けが決まるナポリに勇気を与えただろう。

その後も決めきれないリバプール、対してナポリはややガス欠模様ながらクリバリを上げるなどからチャンスを作れども決められず、90分のミリクの決定機は残念そこはアリソンであった。

結局1-0で試合が終了し、リバプール、PSGが勝ち抜けとなった

感想とか

リバプールの迫力が凄まじく、驚くべき運動量とプレー強度であった。

プレスのはめ方が上手いうえに連続して高強度でプレスを行えるのでナポリは中々、難しい展開だったか。

おそらくだがクロップは3トップの運動量(サラー、フェルミーノ辺りは特に)を時間帯や展開に応じて調整してそうな感じがする。

試合序盤にかなり強くプレスをかけボールを回させなかったことでナポリのDF陣に恐怖感をあたえ、その後の試合が落ち着きつつあった時間でも凡ミスが多発したりらしくないパス回しがあったのは狙い通りだったのではないだろうか。

ただ先制弾までのリバプールに対して上手く剥がせるチームは世界に何チームあるだろうか。

この試合にフォーカスさせたクロップの手腕が見事だった。

ナポリとしてはリバプールのプレスが想定を上回ったのが誤算だったか、ボール保持ができないのならミリクをスタメンで使いもう少し蹴っ飛ばしてもよかったのかもしれない。

 どうでもいいけれどロブレンは前線がミスるとめっちゃキレてそうである。

おわり。

 

CL PSG対リバプール トゥヘルの狙いを見よう。

前節にリバプールが敗北したことで混戦となったグループCでのビッククラブ同士の対決である。

前回対戦ではホームでフェルミーノの劇的ゴールによって勝利したリバプール

リーグ戦でも無敗と好調を維持しているも、戦術的に対応されつつある様子。また個人的にな流行りのストーミングはやってないんじゃないかと思ったり。

対するはPSG、CL優勝が至上命題で今シーズンはトゥヘルを招聘。戦術家のトゥヘルがPSGに合うか疑問に思われたが、始まって見ればリーグ戦では圧倒的な成績を残している。

来年にはムバッペが出て行きそうなので今年が正念場か。

メンバーは以下。

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お互いにベストメンバーのような気がする。

知らんけどり

サイドバックのケーラーは初見。

442表記にしたがPSGは可変式で局面ごとに複数のフォーメーションを使い分けていた。

ディマリアのポジショニングが一時期のレアルやフランス代表みたいな形だったのが印象的。

トゥヘルの狙い

試合を見ると大方の予想通りボールを持ちたいPSGと、奪ってから手取り早く攻めたいリバプールとなった。

PSGの狙いをみるためにまず、リバプールの仕組みから見ていこう。

リバプールの基本戦術

ハイプレスからの素早いカウンターである。具体的には図のような感じ。

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キモは

  1. WGが外のパスコースを切って寄せて中にパスを出させる。
  2. 中央に入ったボールをIHとアンカーで奪いきる。

これは今まで自分が見てきた試合であったり、様々なコラムで書かれている。

このプレスも最近は対策されておりアーセナルはSBに上手くパスを通すことと、ジャカトレイラのポジショニングでプレスを外していた。

もちろんこの形が多いと感じているだけで、他の形も多分にある。

このリバプールの仕組みを元にPSGのやり方を見ていこう.

PSGのボール保持
マルキーニョスヴェラッティネイマールあたりが鍵でありそれぞれの役割を見ていく。

PSGの初手はスリートップに対して中盤からマルキーニョスがCB間に落ちて三枚の前線のプレス部隊に対して同数のポジショニングをとり、二手目のWGとCFの間に顔を出すヴェラッティの4枚で主にボール保持を行なっていた

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これはなかなか驚きである。バックラインと敵FWだけを見れば数的同数なのでかなりリスクを背負っているように見えるが、上手くボール保持を行なっていた。

 

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次の手は中盤のお話。

間で受けるヴェラッティがエグく、常にトップの背後をとるようにポジショニングし、ボールを持つと運ぶドリブルで敵を交わしボールを前進させていた。

ヴェラッティがエグいのはただバックラインと前線への繋ぎ役となるだけでなく、推進力を持って前にボールを運べることである。

加えての時SBのポジショニングが上手く、リバプールの一列目と2列目の間もしくは2列目の横と高さを変えながらポジションをとり、バックラインからのロングボールでビルドアップの脱出口となっていた。

三手目は天下のネイマールさんである。

左のハーフスペースでボールを受けると無双しチャンスを生み出しまくっていく。

試合の強度が高くプレスも激しいなかでネイマールは全くボールを失うことがなかった。

2.3手目のヴェラッティネイマールの剥がしによって、リバプールとしては取り所と設定している中央で奪い切れず突破を許してしまう。

カウンターのためあまり戻ってこないスリートップ故にPSGのSBをなかなか見ることができず、ハーフスペースからフリーでボールを提供されてしまう場面が多い。

この流れでボールを支配しながら最終的にはムバッペとネイマールのコンビでも殴れるのだからPSGはやっぱりエグイ。

考察 トゥヘルがこの戦術を選んだ理由

 

この辺は考察なのであっているかどうかはわからない。

初手のマルキーニョス落としについて

一つはポゼッションの安定であろう。三枚の相手に対してCB二枚では心もとないからだ。

2つ目カウンター対策とも思える。ビルドアップで引っ掛けたとしても後ろには3枚残っているので最悪同数での対応が可能となる。

3つ目はマルキーニョスだからというもの。

元々CBの選手であり、いくら足元のテクニックがあると言っても限度があり間受けでは厳しいとの判断

4つ目は後述のリバプールの攻撃に対するPSGの守備のために元々マルキーニョスセンターハーフにいると言うこと。

逆転の発想とも言える。守備時は列を上げるということである。

二手目、三手目については個の質でプレスを剥がせると計算していた可能性が高い。

リバプールのボール保持攻撃とPSGの守備

基本はPSGがボールを持ち、リバプールが奪ってショートカウンターという展開が多いがもちろんリバプールもボールを持つことがある。

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攻め手2つあり

  1. 縦に早くロングボールをスペースに蹴っ飛ばす。
  2. IHがSBの所に落ちSBを押し上げ斜めのパスを狙う。

1についてはサラーとマネの速さを生かす割と単純な戦法である。マーカーを振り切る走力と単独でシュートまで行ける2人なので他のチームよりはモノになる可能性が高い。

2についてはミルナーは主に右、ワイナルダムは左のスペースに落ち攻撃を組み立てる。

ここからWGの裏に蹴ることもあれば前方のSBにつけるたり、降りてくるフェルミーノに斜めのパスを目指す。

2の攻撃ではIHであれSBであれ斜めのパスを積極的に用いる。この斜めのパスが攻撃のスイッチになるのだろう。

フェルミーノが下りてきて受けたり、サラーがポストプレーで受け反転から攻撃する。

どちらの方法でも一番大切なのは前方30メートルでスリートップに前向きでボールを持たせることである。

これらのリバプールの攻めに対してのPSGの対策はWGに対してのプレスバックやカバーリングで数的優位を形成し止めるというものだった。

前線ではディマリアやヴェラッティがよく走りSBと連携してマネ、サラーに2人がかりで当たっておりリバプールを苦しめていた。おそらくトゥヘルもしっかりと狙っていたのだろう。

後方ではマルキーニョスのプレスバックやCBのカバーリングも早くピンチを防いでいた。

またPSGの守備陣の気迫がえげつなく、特に後半は寄せがとても厳しく行けていたのが印象的である。

試合展開&雑感

 前半のうちにうまく崩したPSGが2点をゲット、どちらもネイマール絡みなのはさすがである。特に2点目のムバッペとのワンツーはスピードを殺さない素晴らしいボールタッチであった。リバプールはPKの1点のみで、試合はPSGが制した。

カバーニやディマリアがエゴを出し過ぎずチームを機能させていた。

ディフェンス陣のバイブスが素晴らしく勝利後の喜びようなどこの試合にかける思いが伝わってきた。

リバプールはPKの1点のみで決定機もほぼなくなかなか苦しかったか。

IH落としで受けるのがミルナーとワイナルダムなので、なかなか良いボールが供給されないのは厳しい感じがした。

特にこの試合ではこの2人は放置していいから、パスコースの先にいるやばい奴を潰そう、というPSGの策が上手く行っていたと思う。

ボールを持てるナビゲイタが入ってからはまた趣が変わっていたので、結局突き詰めるとハイプレスにも対応しめっちゃうまいというスーパーマンが必要になってきそう。

キンバンペがボール保持時にポカをしなければ普通に優勝候補かもしれないPSGであった。

出来ればSBもっといい人材が欲しいかもだが。

グループCはどこがぬけるでしょうか。