理系院生徒然草

理系院生の試合備忘録

サッカーのマッチレポ

チャンピオンズリーグ  マンチェスターシティVSホッフェンハイム 2人の策士

色々と思考錯誤中の戦術ブログ、ちなみにFIゼミに参加することになりました。

そのためにもシコシコと分析の修行中であります。

今回はマンチェスターシティ対ホッフェンハイム

注目はペップ対ナーゲルスマンの知将対決かと。それぞれがどんな仕込みをしているのか期待期待。

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可変システムのホッフェンハイムとオーソドックスなシティ。

ラポルテが左サイドバックが気になる点か、ホッフェンハイムは初めて見る。

 

開始1分にベルフォルデルが抜け出し先制に成功する。出会い頭の事故感。ウォーカーがラインを合わせきれずという形。

事故っぽいけどナーゲルスマンは狙っていたのかどうか。

まずはホッフェンハイムの動きを

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図のように守備時は4-3-3で攻撃時にはアンカーのホフマンが主にCB間に落ちる形。守備時4-3ー3の意図はシティが狙いたいハーフスペースにあらかじめ封鎖すること&4-3-3で戦うシティのマークをはっきりさせることであると思われる。

7分シルバが一人交わし右SBとCBの間へスルーパスを出し、抜け出したサネが折り返しアグエロがゲット。少し右SBのブレネイは不用意だったか、ただシルバサネアグエロとすべてのプレーがうまく質で取り切ったともいえそう。

シティの攻撃はスターリングとサネが大外に張り出し、一方のインサイドハーフが組み立てに絡みながらもう一方は抜け出す形が見られた。また簡単にウイングにつけてドリブルで剥がす形も目立つ。サネスターリングなら勝算が高いと見込んだのであろう。

見込み通り個の質で剥がしゴールに迫っていた。

 またラポルテの偽サイドバック(中に入ってきて、インサイドハーフの位置でプレー)もしていたが、効果は疑問だった。

シティの攻めの形はシティにとってはオーソドックスな形で、うまく菱形を作りながら、攻め込んでいた。キープレーヤーはシルバかなと。切り替えの局面でも上手くボールをつなげカウンターのチャンスを作っていた。

前半はお互いに早い展開が多くファウルで時間もよく止まり、ミスもあったので形は見にくかった。

ホッフェンハイムの形はトップに当てた落としをデミルバイが受けてサイドに展開する。

狙い所はフェルナンジーニョ周りで、両IHが出て行きやすいシティにとっては泣き所である。

この位置でベルフォルデルやジェリントンが受けることもあった。

決定機は少なく1-1で前半は終了する。

ホッフェンハイムの狙いとシティの攻め筋

後半ホッフェンハイムは前線のプレスラインを5m〜10mほど下げて、DFラインは前半の高さを維持していた。シティが使いたいライン間を圧縮して無くそうということであろう。

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前線のラインが下がり、ボールを維持しやすくなったシティは両CBを中心にボールを回しながら縦につける方法を模索していた。ある程度の高さまではシティのCBガン無視のホッフェンハイム。シルバギュンドアンに縦パスをつけたときは激しくプレスし、ボールを奪ってのカウンターを発動させていた。前線のラインを落としているのでシティが上がってきており、その分シティの背後には広大なスペースがあり、そこをSBのブレネイとカデジャーデクが走り込む形が目立つ。アグエロにはCBのどちらかが激しく当たり、空いたスペースはアンカーのホーフマともう一方のCBでカバーしていた。

ホッフェンハイムのスリートップの勤勉さがすごく、特に両シャドーなら2選手はIHへのパスコースをきりながらCBや時にはSBまで見るのでかなりの運動量が要求されていた。シティのWGは基本サイドに張っており、見ているホッフェンハイムのSBは足が残っているからこそカウンターで上がれる、というシティの攻め方を逆手にとったカウンター方法だったのだろう。またホッフェンハイムは攻撃時にアンカーのホーフマが落ちて3CBになるのでカウンターのカウンターへの対策も行なっている、流石ナーゲルスマン。

ホッフェンハイム

28サライー27クラマリッチの交代

シティ

オタメンディストーンズ

ギュンドアンーBシウバ の交代

ここでシティは攻撃時にストーンズを一列に上げて3223を発動させる。

またライン間でボールを受けるのが得意なシウバが投入される。

このシティの策の狙いはシルバシウバに時間と空間を与えることと、被カウンター時の守備の安定、WGをよりフリーにすることだろう。

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ここで特に目立っていたのがBシウバ、図の位置からパスにドリブルにと躍動、超うまい。周りのポジショニングによりホッフェンハイムは誰も当たれない。

CBやサイドCBがボールを持った時にホッフェンハイムのシャドーはIHを切ればタブルセンターハーフが空き、みすぎるとおりてくるシウバにフリーで受けられるのでどうしようもなくなっていた。またシウバのところに起点ができることでよりサイドを使えるようなる。そこで躍動するサネ。こんなに抜けるのに絶対的なレギュラーでないとは恐ろしい。

最後の一手はスターリングーマフレズ

攻め手を増やすことでチャンスが増えた結果、87分にシルバが勝ち越しゴール。CBはシルバを見えていなかったとないえ、難しい球がきてしまったか。狙っていたシルバも素晴らしいしシュートも上手い。

そのままタイムアップしシティが逆転勝ちを収めた。

雑感

2人の戦術的な駆け引きはかなり見ごたえがあり、とても面白い試合だった。

もう相手の形をみながら複数のフォーメーションを使い分けるのは必須なのかもしれない。Bシウバはかなりスゴイ、右ウイングよりIHのほうが生きそうである。

ここにデブルイネが帰還すればエライことになりそう。