CL ユベントス対アトレティコ アレグッリの策と2点差とスーパースター
1stLegはホームのアトレティコが2-0で制しており、アウェイゴールも奪われておらずかなりアトレティコ有利な感じ。
一方のユベントスはロナウドを加えた今季は是が非でもビッグイヤーが欲しいところ。
条件がきついがそれでもホームでこの一戦をできることと、ロナウドが居ることが主張点か。
メンバーはこちら。
アトレティコは数人怪我で欠いている。
一方のユーべは左SBの選手はCL初出場以外はいつものメンバー。
今回はディバラではなくベルナルスキがスタメンに。
引きすぎたのか、押し込まれたのか
開始からボールを保持し盛大に攻めまくるユベントス、それを後押しする観客と序盤はユベントス優位で試合が進んでいく。観客ではなくサポーターであることをわからせてくれるユベントスサポーターの歓声は胸に来るものがある。
ラインの整い方とスライドの速さ的確さは異常である。狙いとしてはこんなところか
本当に図のようにラインが整列するのは圧巻である。
ボール奪取の一例、ボールサイドに人をかけて奪う。逆サイドはスライドする。
逆サイドが空いているように見えるが激しいプレスを掛ければ逆サイドには展開できないでしょという構造となっている。
しかしいつもとは違ってこのような主体的なプレスは殆どできず終始ユベントスに押し込まれる格好になっていた。
ここでのポイントはアトレティコが自ら引いたのか(引いたとしたらどこまで押し込まれることを許容するのか)それともユーベが押し込んだのかである。
個人的にはユーベ側7割アトレティコ3割ぐらいだと大まかに見ている。
アトレティコは多分引いてカウンターのつもりだったとは思うけど、想定した以上にユーベの圧力が強かったのだろう。
そんなユーベの策を見ていく。
ビルドアップとか
ビルドアップは4枚(ギャンが落ちて3CBとピヤニッチ)で相手の第一プレッシャーラインのプレス部隊は2枚なので余裕を持って前進することが出来ていた。
ピヤニッチが受けてサイドに展開したり2トップの脇からサイドのWBやロナウドとベルナルデスキに付ける形が多く、中央には中々ボールは通せない。
アトレティコの2トップは平行のポジションを取っており、ピヤニッチをマンマークはしていなかった。
アトレティコのSHはサイドCBに対してプレスに行きたそうではあったが基本は中優先のディフェンス。
前述の通り圧縮を目指すアトレティコに対してユーベはボヌッチ、キエッリーニ、ピヤニッチのサイドチェンジを使いながらピッチを広く使う。
地味に体力を削られるのが非常にきっつい。
ちなみにボヌッチが抜群の精度を誇っており、左サイドのスピノゾーラがガンガン仕掛けていた。
崩しとボールロスト後の対応の差
基点になるのはあくまでサイド、また押し込んでからのネガトラが素早く再攻撃が可能になっていた。
図はこんな感じ
ここに見ていくとSBの二人は大外でピッチを広げる。アトレティコはここはある程度捨てており、クロスにはバッチ来いの姿勢。ならばと左サイドのスピノゾーラはガンガン仕掛け序盤のユーべを牽引していた。
中盤ではマテュイディの裏抜けが時折見られるも、攻め手というよりはロナウドのカットインのスペースを作る感じ。あとCBを引っ張り出すとか。
ベルナルデスキはライン間が圧縮されているので背負って散らす場面が多く、ポジションを色々と変えながらボールを受けて基点になる。
背負えるというのがディバラではなかった理由かもしれない。
マンジュキッチは1stLegと比べて中央で待機する場面が多く結果的にはマークを引き付ける役割を果たしていた。そしてもう一枚のロナウドがサイドから斜めから走り込んで強襲という形。
中央での二人の関係がアレグッリの仕込みだったのかなと思う。
アトレティコとしては中央でのヘディング勝負では負けないという計算だったのだと思う。その変わりに中央を閉めることでライン間やロナウドとベルナルデスキのカットインシュートはほぼやらせていなかった。
ゲームが動いたのは26分やや怪しげな判定の後のトランジッションでベルナルデスキからロナウドのヘッドでゲット。
たぶんこれがしたかったのかなと、CBをマンジュキッチが消して大外のSBとロナウドを競らせる。ベルナルデスキのボールも見事であった。
アトレティコの誤算?
その後も攻め立てるユベントス、ボールロスト後の守備の気迫がエグイ。
アトレティコとしてはボールを奪った後に取り返されることが多すぎたのが誤算であろう。特にルマルは試合に入り切れていないようだったので軽率なボールロストを連発しており非常に切なかった。
ピヤニッチもネガトラでは突っ込んでくるのでかわせばスペースはあるのだが中々かわせず。
モラタがキエッリーニとボヌッチにフィジカルで勝てなかったので基点が作れず、グリーズマンも体が重そうであったため押し込まれ続けてしまった。
またカウンターに行かずボールを回して時間を創ろうとしていたがユベントスの圧力の前にミスを連発してしまっていたので苦しい展開が続く。これならいっそカウンターしたほうがよかったかもしれない。あくまで結果論だが。
1-0で前半を終える
後半開始早々に試合が動く、カンセロのクロスからヒメネスとゴディンの間に入ったロナウドがゴール。ゴールラインテクノロジーが無ければ絶対わからなかったであろう得点。クロスのタイミングと落ちどころが秀逸かつロナウドさんが見事。
アトレティコは再び計算していない所からの失点。またほんまにゴールか?という感じでいやな点の奪われ方であった。
これで振り出しに戻ったゲーム。
スコアを確認するとユーベは3点差以上の勝利が必要でアトレティコは1点でも取ればだいぶ有利になる。つまりアトレティコのほうがまだやや有利と言える。
流れを変えるべくルマル⇔コレア の変更でコケが左へ行き右に入るコレア。
前半も同じなのだがマテュイディのプレスが異常であり高強度のプレスやプレスバックを連発しやっぱりボールを回せないアトレティコである。
やや試合が膠着してきた65分 スピノゾーラ⇔ディバラ アレグッリ強気の采配
アトレティコはボランチのサウールがサイドCBにややプレスに行くなどし始めるもややガス欠感があり状況はあまり変わらない。
ユベントスはカンセロが左SBに入りギャンが右SBへベルナルデスキとディバラはSHへ
76分アリアス⇔ビトーロ サウールが左SBにビトーロが左SHにコケがセンターにそれぞれ入る。
お互いにファウルが増えセットプレー増えていくもアトレティコは決定的なチャンスは作れず。
83分ベルナルデスキの突破からコレアがPKを献上し決めるロナウド
切ないアトレティコはその後もゴールを奪えず大逆転のユベントスであった。
感想
結局はロナウドを活かしきったアレグッリの策がハマったといえる。そして異常な勝負強さを誇るロナウド。
戦術以上にユベントスの面々に気迫を注入したアレグッリはモチベータ―としてもかなり優秀。彼らの表情は2点差のそれではなく勝てるという確信に満ちていた。
地元の新聞をもりようしながらスタジアムを盛り上げた戦略面も秀逸。
ベルナルデスキのフリーマンも非常によく納得の采配。
アトレティコとしては前半のボディブローが効いていたのか後半は反撃が出来ず。
シメオネのゲームプランはかなり聞いてみたい所である。
ボール奪取後の動きがややバラバラだったのかも。ルマルが批判されているのがなんとなくわかるゲームでもあった。
一番の勝者はマロッタSDを切ってでもロナウドを獲得したアニエッリさんかもしれない。
ビックイヤーは誰の手に?
FIN