理系院生徒然草

理系院生の試合備忘録

サッカーのマッチレポ

CL バルセロナ対マンチェスターU マンUの狙いとメッシとボール保持と

あっという間に1週間が立ち2ndlegが始まる。

オールドトラフォードで0-1で敗れたマンUは敵地カンプノウに乗り込む。アウェイゴールを最小に抑えたと考えれば悪くない気もしてくるのが不思議なところ。

前回のように押し込む時間が増せばあるいはという感じ。

カンプノウで迎えるはバルセロナ

そろそろベスト4〜決勝まで返り咲きたいところ。特にメッシの意気込みを感じる。

前回対戦ではマンUにボールを持たせたのか持たれたのかの答え合わせができると期待している。

メンバーはこちら。

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メンツ

 バルセロナはいつものメンバー。

マンUはかなりメンバーを変えてきており4バックにも変更。ルカク、ダロットを外してのリンガード、マルシャル。ルークショーは無念の出場停止。

奇襲とメッシ 

カンプノウで最初に仕掛けたのはマンUであった。

開始30秒ポグバのスルーパスに抜け出したラッシュフォードのシュートは惜しくもバーに。

これが入っていれば試合内容は大きく変わっていたのかもしれない。

ここから連続して攻めていくユナイテッド。

1分後には綺麗な繋ぎからゴール前に走り込んだマクトミネイに合わせるも繋がらず。

立て続けにチャンスを得たマンUは前からプレスに行く姿勢をみせる。

バルサはいつも通りにブスケツがCB間に落ちて、GKと合わせて4枚のビルドアップ隊に幅取りのSBと間に顔を出すIHでボールを回していく。

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いつものやつ

スールシャールの策はブスケツが落ちて3枚になった最終ラインに3トップでプレスに行くことであった。

プレスの左右差から見えるスールシャールの狙い

15分に神メッシされるまでは勇気を持って前からプレスに行けていたマンUをみていく。つまり15分までが当初のプランと思われるが何分時間が短くどこまでが狙いなのかはみずらかった。

最初に現象として見えたのは3トップのプレスの掛け方の違いである。

右サイドではラッシュフォードがアラバへのコースを切るようなプレスにいきその後も何度か同じようなプレスの行き方をする。

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左サイドではマルシャルはいつも通り中へのコースを切りながらプレスし、ピケからセルジに渡ると連動してポグバが当たり中盤がスライドしてメッシにはヤングがぴったりと付く形に。

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仮説

今回はマンUのプレスについてである。

現象をまとめていくと

  • 右WGはラッシュフォードはアラバのパスコースをきる(外切り)
  • 左WGのマルシャルは中央のパスコースを切る(中切り)
  • ヤングがメッシを見て、DFラインは3枚でスアレスコウチーニョをみる。
  • ポグバは右SBまで寄せる。
  • マクトミネイは中央よりでプレー。

この形の想像し得る狙いは

守備

  • ヤングをメッシのマークにつける。
  • スアレスコウチーニョに対して3人(スモーリング、リンデロフ、ジョーンズ)で守る。
  • ポグバを高い位置でプレーさせ運動量を増やしすぎない。
  • 相手の攻撃を右サイドに絞り、人数をかけて奪う。

攻撃

  • セルジの裏からカウンター
  • ネガトラをドリブルで外す
  • 奪ってからアラバの裏をラッシュフォードが狙う。

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まとめ

バルサの攻撃を右サイドに誘導しセルジの裏を狙ったり、リンガードマルシャルラッシュフォードのドリブルでネガトラを外そうという狙いだったのかなと。

またこの形ではポグバが前に進出できる。

13分などでもヤングが自身のサイドのスペースではなく中央のメッシを見ているのであながち間違ってもいないのかも。

ラッシュフォードも前残りの姿勢を見せており、右サイドでバルサが持つときにアラバが上がるスペースを狙っていたりもするのかもしれない。

 狙いとして面白いと思うし、あえてストロングサイドであるメッシサイドに攻撃を誘導しカウンターを狙うのが面白いかなと。

アラバサイドを突くのが目標でアルバが逆サイドにボールがある時でもガンガン上がる仕組みを逆手に取ろうということなのかも。

ただ15分ヤングの判断がやや遅れたところでメッシがメッシして先制。

こういうスーパープレーがサッカーなのでぜひ動画でご覧ください。

失点後の振る舞い

攻めるしかなくなったマンUは引き続き同数プレスを続けていく。

えぐいのはマクトミネイで中央を守りつつアラバに通された時にもプレス、逆サイドにある時には絞りと驚異の運動量を見せる。

根本的に3トップが戻る仕組みではないのでIHの運動量がエライことになっている。

バルサも徐々にアラバが切られていることに気づいたのかうまく剥がしながらアラバに届ける形が増えていく。こういうバルサのボール保持はすごく、コースをきっているのに通されるやんとなるラッシュフォードであった。

マンUバルサのボールロスト後のプレスをドリブルで剥がす場面がありファウルを誘発するなど狙いが機能しそうであったし、実際にプレスを突破するとシュートまでいけるようになっていく。

19分再びメッシ、デヘアのミス合間って2ー0となる。メッシとコウチーニョのネガトラも見事。

仮説2 バルベルデの策

 

rikei00fash-book.hatenablog.com

 この試合で見たかったのはバルサのボール保持についてであった。

この試合では前半の早い時間帯でも後ろからつなぐ意思を見せていたし、実際にボールを繋げてもいた。特点後はよりボールを回して相手を動かしていくバルセロナであった。

特にうざいのはラキティッチでマルシャルの位置に応じてプレス隊の間に入るようにポジションを取りボールを循環させる。

セルジーラキティッチーメッシの位置どりは本当に見事。

点差やスタジアム(オールドトラッフォードなのかカンプノウなのか)は大きく関係しているとは思うが、やはり1stLegではリスクを考慮してボールの保持にこだわり過ぎなかったのだと思う。

バルサのゲームモデルは結局

1ボール保持からの定位置攻撃

2ボールロスト後の即時奪還(ネガトラ)

3ネガトラがきつくなって初めて引いた守備

なのだろう。

後半はより普通の4−3−3である(ラッシュフォードがアラバをみる)マンUだが効果的ではなくメッシの起点からコウチーニョの得意の形で3−0となりゲームを終わらせる。

残りは所謂ガーベッジタイム、個人的にサンチェスが出てきたのが嬉しかった。

感想

今年の主役は俺だと言わんばかりのメッシの活躍により4シーズンぶりのベスト4進出を決めたバルセロナであった。以外と久しぶりのベスト4で前回は優勝している。

改めて思ったのはバルセロナはボールを保持してナンボのチームではないかということである。そのためにはメッシを支える中盤3枚が大切で最適解は今日の3人なのであろう。特にブスケツラキティッチは絶妙な役割を果たしており、アルトゥールは受け方がバルサっぽくないもののテクニック(特にボールを隠しながら回るプレー)で順応している。

あとはセルジロベルト、本当に戦術理解が高く必要なタイミングで 必要なプレーができる選手である。是非とも中盤でスタメンで見たいのだが。。。

今後鍵を握るのはコウチーニョなのかもしれない。

ボールを持ちすぎるキライはあるものの今までのバルサにはないテンポのプレーと右足の一発がある。異質な彼のプレーがいい方に作用するか否かが今後の鍵を握りそう。

というか左WGの人選。

一方のマンU、デヘアのミスで終わってしまった感じ。

マンUを見ていて思うのはゲームモデルがわからないなということである。

特に攻撃のプランが個人頼みで、後ろもビルドアップができないので苦しい。

リバプール戦が本当に楽しみである。

fin