バルセロナVSベティス 今更とは言わないで
FOOTBALISTAのインタビュー記事など日本での知名度も上がってきているキケセティエン監督率いるベティス、乾移籍してきたこともあり日本での注目度も高く感じる。ボールを保持して攻めるのが特徴である。いわゆるゲームモデルがはっきりしている印象。
対するはホームのカンプノウにて迎え撃つバルセロナ。クラシコも快勝しメッシも復帰、CLもGL突破と明るい材料が多い。
監督のバルベルデはRエンリケ期より速攻と遅攻のバランスを整えた印象がある。
注目はアルトゥール、プレス回避性能が異常である。ただプレーのテンポが一定でそれが良くも悪くもといったところ。シャビっぽいかなと。
メンバーは以下
意地の張り合い
サッカーの例えによく使われる将棋の対局では「意地のはり合い」と形容される局面がある。
一方の棋士が主張の強い手(この1手を許容すれば、ペースを握られるような手)を指しその手に対して強く反発し、激しい争いになるような局面である。
この試合はまさしく互いに強い主張をし合い、一歩も引かない乱戦となった。
バルセロナとベティスのそれぞれの主張と対抗策
バルセロナ
- ボール保持からのセットオフェンス、キーマンはメッシ
- ボールを奪われた後は激しくプレスし2次攻撃に繋げる
- アルトゥール、ブスケツ、メッシでの安定したポゼッション
の3つが主でポゼッションを握りながら試合を支配する。
攻撃に関してはメッシに渡すためのビルドアップと、メッシが持ってからの二つが多い形。
守備について
GKから繋ぐベティスに対して攻撃的なプレッシングを敢行していたが、単純に交わされたりロレンへのロングボールで逃げられることもあった。
3トップとIHがプレスに行き戻り切れない(3トップに関しては戻らない)ことが多くDFラインの前のスペースを使われるやすくなっている。
また高い位置を取るSBの裏を突かれることも多くピケが引っ張りだされる場面も多く見受けられた。
ベティス
- 基本はボール保持し、3センターでまわしながら両ウイングバックを活用
- 高い位置からのマンツーマンでのハイプレス、後ろは数的同数を許容する
- 困ったときのロレン、途中からはカナレス。
今季ベースのポゼッション率がバルサを超えて1位であるベティスは徹底したボール保持と高い位置からのプレスが特徴である。
この試合ではバルセロナに対してマンツーマンでプレスをかけ、数的同数を許容しているのは狂気の沙汰だと感じた。
特にGKなどバルセロナが低い位置でボールを保持しているときは図のようにハイプレスを仕掛ける場面が多い。
バルセロナにボールを運ばれた時はWBが引きしっかりと5-3-2(5-4-1)のブロックを形成し、奪ってからのWBでのカウンターが機能していた。
ボール保持ではGKと3バックでうまくボールを保持し、Wカルバリョやグアルタードにつなげ大外のWBを走らせていた。
困ったときのロレンへのロングボールも機能し陣地を回復させていた。
ボールロストのときはバルサのプレスがハマっているというよりは単純なミスが多かった印象。
試合の雑感
バルサのほうがややボールを持てていた印象でポゼッション率は53対47(バルサ、ベティス)と印象通り。
ベティスもボール奪取ご低い位置ではしっかりとボールを保持し、プレスをはずしてSBを狙えていた。得点もサイド絡みが多い。センターライン付近で奪うと一気にオープンなSBを狙えており、一貫した意図を感じさせた。
ピケに対してロレンをぶつけることでカバーリングが遅れ気味にさせ、セルジロベルトをジュニオールで狙い撃ちにするのは、ドイツ対キミッヒを思い起こさせる。
バルセロナの2,3点目は中々に怪しさ満点であった。
乾頑張れ!