CL PSG対リバプール トゥヘルの狙いを見よう。
前節にリバプールが敗北したことで混戦となったグループCでのビッククラブ同士の対決である。
前回対戦ではホームでフェルミーノの劇的ゴールによって勝利したリバプール。
リーグ戦でも無敗と好調を維持しているも、戦術的に対応されつつある様子。また個人的にな流行りのストーミングはやってないんじゃないかと思ったり。
対するはPSG、CL優勝が至上命題で今シーズンはトゥヘルを招聘。戦術家のトゥヘルがPSGに合うか疑問に思われたが、始まって見ればリーグ戦では圧倒的な成績を残している。
来年にはムバッペが出て行きそうなので今年が正念場か。
メンバーは以下。
お互いにベストメンバーのような気がする。
知らんけどり
右サイドバックのケーラーは初見。
442表記にしたがPSGは可変式で局面ごとに複数のフォーメーションを使い分けていた。
ディマリアのポジショニングが一時期のレアルやフランス代表みたいな形だったのが印象的。
トゥヘルの狙い
試合を見ると大方の予想通りボールを持ちたいPSGと、奪ってから手取り早く攻めたいリバプールとなった。
PSGの狙いをみるためにまず、リバプールの仕組みから見ていこう。
リバプールの基本戦術
ハイプレスからの素早いカウンターである。具体的には図のような感じ。
キモは
- WGが外のパスコースを切って寄せて中にパスを出させる。
- 中央に入ったボールをIHとアンカーで奪いきる。
これは今まで自分が見てきた試合であったり、様々なコラムで書かれている。
このプレスも最近は対策されておりアーセナルはSBに上手くパスを通すことと、ジャカトレイラのポジショニングでプレスを外していた。
もちろんこの形が多いと感じているだけで、他の形も多分にある。
このリバプールの仕組みを元にPSGのやり方を見ていこう.
PSGのボール保持
マルキーニョス、ヴェラッティ、ネイマールあたりが鍵でありそれぞれの役割を見ていく。
PSGの初手はスリートップに対して中盤からマルキーニョスがCB間に落ちて三枚の前線のプレス部隊に対して同数のポジショニングをとり、二手目のWGとCFの間に顔を出すヴェラッティの4枚で主にボール保持を行なっていた
これはなかなか驚きである。バックラインと敵FWだけを見れば数的同数なのでかなりリスクを背負っているように見えるが、上手くボール保持を行なっていた。
次の手は中盤のお話。
間で受けるヴェラッティがエグく、常にトップの背後をとるようにポジショニングし、ボールを持つと運ぶドリブルで敵を交わしボールを前進させていた。
ヴェラッティがエグいのはただバックラインと前線への繋ぎ役となるだけでなく、推進力を持って前にボールを運べることである。
加えての時SBのポジショニングが上手く、リバプールの一列目と2列目の間もしくは2列目の横と高さを変えながらポジションをとり、バックラインからのロングボールでビルドアップの脱出口となっていた。
三手目は天下のネイマールさんである。
左のハーフスペースでボールを受けると無双しチャンスを生み出しまくっていく。
試合の強度が高くプレスも激しいなかでネイマールは全くボールを失うことがなかった。
2.3手目のヴェラッティとネイマールの剥がしによって、リバプールとしては取り所と設定している中央で奪い切れず突破を許してしまう。
カウンターのためあまり戻ってこないスリートップ故にPSGのSBをなかなか見ることができず、ハーフスペースからフリーでボールを提供されてしまう場面が多い。
この流れでボールを支配しながら最終的にはムバッペとネイマールのコンビでも殴れるのだからPSGはやっぱりエグイ。
考察 トゥヘルがこの戦術を選んだ理由
この辺は考察なのであっているかどうかはわからない。
初手のマルキーニョス落としについて
一つはポゼッションの安定であろう。三枚の相手に対してCB二枚では心もとないからだ。
2つ目カウンター対策とも思える。ビルドアップで引っ掛けたとしても後ろには3枚残っているので最悪同数での対応が可能となる。
3つ目はマルキーニョスだからというもの。
元々CBの選手であり、いくら足元のテクニックがあると言っても限度があり間受けでは厳しいとの判断
4つ目は後述のリバプールの攻撃に対するPSGの守備のために元々マルキーニョスがセンターハーフにいると言うこと。
逆転の発想とも言える。守備時は列を上げるということである。
二手目、三手目については個の質でプレスを剥がせると計算していた可能性が高い。
リバプールのボール保持攻撃とPSGの守備
基本はPSGがボールを持ち、リバプールが奪ってショートカウンターという展開が多いがもちろんリバプールもボールを持つことがある。
攻め手2つあり
- 縦に早くロングボールをスペースに蹴っ飛ばす。
- IHがSBの所に落ちSBを押し上げ斜めのパスを狙う。
1についてはサラーとマネの速さを生かす割と単純な戦法である。マーカーを振り切る走力と単独でシュートまで行ける2人なので他のチームよりはモノになる可能性が高い。
2についてはミルナーは主に右、ワイナルダムは左のスペースに落ち攻撃を組み立てる。
ここからWGの裏に蹴ることもあれば前方のSBにつけるたり、降りてくるフェルミーノに斜めのパスを目指す。
2の攻撃ではIHであれSBであれ斜めのパスを積極的に用いる。この斜めのパスが攻撃のスイッチになるのだろう。
フェルミーノが下りてきて受けたり、サラーがポストプレーで受け反転から攻撃する。
どちらの方法でも一番大切なのは前方30メートルでスリートップに前向きでボールを持たせることである。
これらのリバプールの攻めに対してのPSGの対策はWGに対してのプレスバックやカバーリングで数的優位を形成し止めるというものだった。
前線ではディマリアやヴェラッティがよく走りSBと連携してマネ、サラーに2人がかりで当たっておりリバプールを苦しめていた。おそらくトゥヘルもしっかりと狙っていたのだろう。
後方ではマルキーニョスのプレスバックやCBのカバーリングも早くピンチを防いでいた。
またPSGの守備陣の気迫がえげつなく、特に後半は寄せがとても厳しく行けていたのが印象的である。
試合展開&雑感
前半のうちにうまく崩したPSGが2点をゲット、どちらもネイマール絡みなのはさすがである。特に2点目のムバッペとのワンツーはスピードを殺さない素晴らしいボールタッチであった。リバプールはPKの1点のみで、試合はPSGが制した。
カバーニやディマリアがエゴを出し過ぎずチームを機能させていた。
ディフェンス陣のバイブスが素晴らしく勝利後の喜びようなどこの試合にかける思いが伝わってきた。
リバプールはPKの1点のみで決定機もほぼなくなかなか苦しかったか。
IH落としで受けるのがミルナーとワイナルダムなので、なかなか良いボールが供給されないのは厳しい感じがした。
特にこの試合ではこの2人は放置していいから、パスコースの先にいるやばい奴を潰そう、というPSGの策が上手く行っていたと思う。
ボールを持てるナビゲイタが入ってからはまた趣が変わっていたので、結局突き詰めるとハイプレスにも対応しめっちゃうまいというスーパーマンが必要になってきそう。
キンバンペがボール保持時にポカをしなければ普通に優勝候補かもしれないPSGであった。
出来ればSBもっといい人材が欲しいかもだが。
グループCはどこがぬけるでしょうか。
バルセロナVSベティス 今更とは言わないで
FOOTBALISTAのインタビュー記事など日本での知名度も上がってきているキケセティエン監督率いるベティス、乾移籍してきたこともあり日本での注目度も高く感じる。ボールを保持して攻めるのが特徴である。いわゆるゲームモデルがはっきりしている印象。
対するはホームのカンプノウにて迎え撃つバルセロナ。クラシコも快勝しメッシも復帰、CLもGL突破と明るい材料が多い。
監督のバルベルデはRエンリケ期より速攻と遅攻のバランスを整えた印象がある。
注目はアルトゥール、プレス回避性能が異常である。ただプレーのテンポが一定でそれが良くも悪くもといったところ。シャビっぽいかなと。
メンバーは以下
意地の張り合い
サッカーの例えによく使われる将棋の対局では「意地のはり合い」と形容される局面がある。
一方の棋士が主張の強い手(この1手を許容すれば、ペースを握られるような手)を指しその手に対して強く反発し、激しい争いになるような局面である。
この試合はまさしく互いに強い主張をし合い、一歩も引かない乱戦となった。
バルセロナとベティスのそれぞれの主張と対抗策
バルセロナ
- ボール保持からのセットオフェンス、キーマンはメッシ
- ボールを奪われた後は激しくプレスし2次攻撃に繋げる
- アルトゥール、ブスケツ、メッシでの安定したポゼッション
の3つが主でポゼッションを握りながら試合を支配する。
攻撃に関してはメッシに渡すためのビルドアップと、メッシが持ってからの二つが多い形。
守備について
GKから繋ぐベティスに対して攻撃的なプレッシングを敢行していたが、単純に交わされたりロレンへのロングボールで逃げられることもあった。
3トップとIHがプレスに行き戻り切れない(3トップに関しては戻らない)ことが多くDFラインの前のスペースを使われるやすくなっている。
また高い位置を取るSBの裏を突かれることも多くピケが引っ張りだされる場面も多く見受けられた。
ベティス
- 基本はボール保持し、3センターでまわしながら両ウイングバックを活用
- 高い位置からのマンツーマンでのハイプレス、後ろは数的同数を許容する
- 困ったときのロレン、途中からはカナレス。
今季ベースのポゼッション率がバルサを超えて1位であるベティスは徹底したボール保持と高い位置からのプレスが特徴である。
この試合ではバルセロナに対してマンツーマンでプレスをかけ、数的同数を許容しているのは狂気の沙汰だと感じた。
特にGKなどバルセロナが低い位置でボールを保持しているときは図のようにハイプレスを仕掛ける場面が多い。
バルセロナにボールを運ばれた時はWBが引きしっかりと5-3-2(5-4-1)のブロックを形成し、奪ってからのWBでのカウンターが機能していた。
ボール保持ではGKと3バックでうまくボールを保持し、Wカルバリョやグアルタードにつなげ大外のWBを走らせていた。
困ったときのロレンへのロングボールも機能し陣地を回復させていた。
ボールロストのときはバルサのプレスがハマっているというよりは単純なミスが多かった印象。
試合の雑感
バルサのほうがややボールを持てていた印象でポゼッション率は53対47(バルサ、ベティス)と印象通り。
ベティスもボール奪取ご低い位置ではしっかりとボールを保持し、プレスをはずしてSBを狙えていた。得点もサイド絡みが多い。センターライン付近で奪うと一気にオープンなSBを狙えており、一貫した意図を感じさせた。
ピケに対してロレンをぶつけることでカバーリングが遅れ気味にさせ、セルジロベルトをジュニオールで狙い撃ちにするのは、ドイツ対キミッヒを思い起こさせる。
バルセロナの2,3点目は中々に怪しさ満点であった。
乾頑張れ!
マンチェスターシティVSマンチェスターU スコア以上の差
ペップグアルディオラとモウリーニョの因縁の対決である。なんやかんやいい勝負をしていると思うのは多分気のせい。羽生対佐藤康のように100番ほど勝負してほしい気もする。
チームの完成度では大きく差があるように感じる両チームであるがどうなるか。
メンバーは以下
マンUはポグバ、ルカクと核となる選手がいない、CBも怪しさがある。マタはベンチなのか。モウリーニョはアフロ好きやなぁ
対するシティ、デブライネ以外はほぼベストメンバーか。Bシウバも面白いプレーをするので注目。サネコンパニオタメンディなど豪華なベンチ。フェルナンジーニョの控えは誰か取らないのだろうか。アグエロが好調でDシルバもゴールが増えてきており、盤石の王者である。
シティのボール保持と崩れたモウリーニョの狙い
マンUの守備の形から見ていく
4-3-3(4213)でセットするマンUはラッシュフォードが中央に位置しフェルナンジーニョへの球出しを牽制する。フェライニは中盤センターに位置し、フェルナンジーニョにパスが入る(または入りそうな)ときに厳しくプレスを掛けていた。
3トップはSBのパスコースを切りながら外から中へポジションを取る。これは偽SB対策だろうか。
エレーラはシルバにマンツーマン気味でついていた。
開始直後はシティ陣地でも積極的にプレスする姿勢をみせるユナイテッド、GKでフェライニをサイドに流れさせて競らせるなどの狙いを見せる。
モウリーニョの狙いは
あたりだと推測される。
しかし相手はシティである。シルバ、シウバ、アグエロの球の引き出しと11分のシルバの先制点によって目論見はもろくも崩れ去ってしまっていた。
マンUの狙いを崩したシティのポゼッションと攻撃
シティはポゼッションからの定位置攻撃がメイン。オフェンストランジションからのショートカウンターも時には行っており、ペップのいつもの策である。
ポゼッションをベースに相手を動かしながら、特定のエリアでは選手(または2~3人からなるユニット)によって戦略を変えているグラウディオラ。
具体的には左のスターリング、メンディ、シルバと右のマフレズ、ウォーカー、Bシウバである。
左サイドでの戦略
周りとの連携からの爆発的な加速が武器のスターリングやクロスマシーンのメンディ、どんな所でも球を受けられるシルバがいる左サイドでは、左利きのラポルテの球出しから細かくボールを繋ぎ崩す。ここにアグエロが顔を出すこともある。
図の二つのエリア(CB、SB、SH、CHの成す四角形の間とハーフスペースの入り口)が攻略のメイン。
まずシルバやフェルナンジーニョ、ラポルテがハーフスペースの入り口でパス交換したり、ターンしてから攻撃を始める。
このエリアはマンUが捨てているエリアのため割りとフリーで受けることが出来る。
次に図の四角形に人が出入りして、スペースを生み出しパス交換から崩していく。
典型的なのは1点目のシーンである。
あまりにも見事な崩しなので是非動画でご覧になっていただきたい。
まぁシルバが上手すぎるのも多分にあるのだが。
右サイドでの戦略
左サイドで手数をかけている分ウォーカーがあまり上がらずリスク管理し、Bシウバのライン間とマフレズのアイソレーションがメイン。
マフレズはスペースがある場所での細かいタッチから逆を取るプレーが上手く、パスにドリブルにクロスに貢献。(なんとなく家長っぽい気もする。)
Bシウバもシルバクラスにうまいのでハーフスペースやライン間でボールを受けて攻撃を活性化させていた。何げにDFも上手くデブライネが怪我してこの選手が出てくることに戦慄する。
失点後もマンUは重心を下げることになり、シティが攻め続けるも追加点とはならず1-0で前半を終える。
後半開始4分、センターサークル付近でボールを奪ったシティは素早いカウンターを発動しアグエロのゴラッソで追加点。カウンターでも点が取れるのでお手上げである。
ニアをぶち抜いたアグエロも見事。
0-2となったマンUは前からプレスする姿勢を見せるもここで登場するのがエデルソン。正確なフィードでサイドに散らし、プレスを外していた。
56分リンガードールカク ラッシュフォードが右でルカクが中央
そのルカクがPKを獲得しマルシャルがゲット。
61分 マフレズーサネ サネが左でスターリングが右へ
サネの役割はアイソレーション用員でサネが左で張り、Bシウバシルバスターリングで右で細かく繋ぐことが増える。
68分ごろから相手陣地ではフェライニを押し上げて442でプレスをかける場面も出てくる。そうなると存在感を増すのがエデルソン。正確なフィードでプレスを外す一因となっていた。
72分 エレーラ、ラッシュフォードーマタ、サンチェス
マタとサンチェスが途中出場なのだからマンUも相当に恐ろしい。
74分 アグエローギュンドアン Bシウバが右に行きスターリングがCFに。
後半も引き続きボールを保持するシティ。
マンUはボール保持のときにユニットレベルでの連動性がなく行き当たりばったりな攻撃になっていた。
85分 44本ものパスを繋いだシティがギュンドアンの追加点で勝負あり。
3-1でシティの勝利となった。
感想
攻守に圧倒的なパフォーマンスを見せたシティは異常に強い。セット攻撃カウンターなんでもござれである。ペップの長年の課題である被カウンターはへの対策もボール保持、素早い切り替えからの守備、予防カバーリングなどで解消されているように見えた。スターリングがゴールを決めれば本当にスキがない気もする。
個々で見ればDシルバは異常。上手い戦える点まで決めるともうバロンドールです。
アグエロも素晴らしい。
スターリングはシュート以外のプレーは本当によい。マフレズはもっと得点に直結する仕掛けが見たい。
対するユナイテッド
チャンスらしいチャンスがなく厳しい戦いに。失点のタイミングが悪くプランが崩されたか。交代で流れを若干押し戻したモウリーニョは見事だったが、ここまでオフェンス陣の爆発頼みだと厳しいか。
サンチェス好きなので移籍してほしい。
後半はあんまり書くことがなかったような。。
あったらごめんなさい。
アーセナルVSリバプール プレスとポゼッションとエメリ
ついにヴェンゲルから監督が変更しエメリ政権となったアーセナルに対して充実のシーズンを送るリバプール。どちらもやや怪我人が多いのは気がかりな点か。
エジルの使い方であったりオバメヤンとラカゼットの共存、積年の課題である中盤センター問題を上手く解決している感のあるエメリはさすがといえる(フルマッチ見たのはシティ戦のみ)
クロップ政権3年目にしてチーム戦術が浸透しきった感のあるリバポ、今年あたりはなんらかのタイトルが欲しいところであろう。サラーの調子がまだ万全ではない感じか。
メンバーは以下
アーセナルのビルドアップとプレスがハマらないリバポ
前半はGKからでもボールを繋ぎビルドアップするアーセナルとプレスを掛けるリバポという構図に。
まずはリバポの3トップの守備の動き
- 最初のCBにはそれほどプレスせず
- ポジションは等間隔
- CBのパス交換中にプレスのスイッチ、SBを切りながらアタック
しかし守備がハマらずボールを前進されることが目立つ
理由は2つほど考えられ
まずは1について
アーセナルは図1のようにセンターハーフの二人がWGとCFの間に顔を出すシーンが多い。この二人から前線にいいボールを供給しチャンスが生まれていた。
ジャカは正確なミドルパスで、トレイラは常にフェルミーノの背後を取る位置にいてボールを受けさばくシーンが多い。
エジルとムヒタリアンはファビーニョの脇(3センターの急所である)を狙っており、ミルナーとワイナルダムの動きを牽制。
リバプールのIHは彼らがトレイラとジャカに当たらないとボールはとれないのだが、当たりに行かず(行けず)アーセナルのビルドアップが成功する場面が多い。
2に関して具体例を1つ
1列目が当たりにいくわりに後ろがついてこない現象(一体どこの代表やねん)によりしんどくなるリバプール、ただ決めきれないアーセナルにより事なきを得る。
試合としてもかなり強度が高く展開がはやい、その早い展開はプレスのなかでうまくボールを回すアーセナルは流石である。
対してアーセナルの守備とリバポの攻撃について
アーセナルのいい定位置攻撃⇒ロスト後の素早い切り替えからのボール奪回(ロングボールを蹴らせる)
リバポの3トップはロングボールに競り勝てるわけではないため、苦し紛れのロングは回収されることが多数。
センターのファビーニョがまだプレミアに慣れていないのかうまくボールを受けられず、受けてもミスが目立ちポゼッションが安定しない。
エジルを押し出して442で守備するアーセナルに対して、ミルナーやワイナルがCB横に落ちゲームメイクを試みるも中々上手くはいかない。
一番なにか起きそうなのはセットした状態からのサラーへのロング(ミドル)のパスでムスタフィとコロシナツの関係性がよくない所をついているが、チャンスにはなかなか結びつかず。セットプレーからのヴァンダイクが一番チャンスになっていた。
総じて前半はかなりのアーセナルペースに、いい形でボールを奪えずカウンターを発動できないリバポであった。
シティ戦などは3トップがもっとプレスに行きまくっている印象だったがこの試合ではそれほどであった。
クロップが一生叫んでいることを誰か教えてください。
リバポ変更とエメリの采配
後半アーセナルのビルドアップに対しマネを左SHぐらいの位置まで落とし、ミルナーが右SHになって442(4411)のような形に変更。しかしトレイラがまたも2トップの背後で上手くボールを捌き、アーセナルペースが続く。
ゴール前ではヴァンダイクが脅威のフィジカルを発揮し得点を与えないリバポ(無理して取ってよかったね)アリソンがいるのも大きくゴールを奪えないアーセナル。
61分ベジェリンの裏を圧倒的身体能力でとったマネのクロスからキーパーがはじいたところにミルナーが叩き込みリバポが先制。
ここまで消え気味のミルナーが一仕事。スコアが動いたところでアーセナルはどう動くのか。
67分 ムヒタリアンーイオビ
引き続きボールを回しながらサイドのイオビやエジルを起点に圧力を高めるアーセナル。変わって入ったイオビはサイドの仕掛けから攻撃を活性化させる。
対して勢いを逆手にとるようにリバポはサラーとフェルミーノでカウンターを仕掛ける。サラーのみが残りほぼ10人でブロックを引くリバポ。
エジルがサイドに行きラカゼットの背後にラムジ―。
80分コラシナツーウェルベック
サイドからのクロスは入っているので中を増やそうという采配。リバポは苦しい展開が続く。
81分アーセナルの上手い回しからイオビのラストパスにラカゼットがゲットで追いつくアーセナル。
その後の攻め立てるも決定機はなく1-1のドローで終了。
感想
強度や戦術的な面ともに見どころのGOODゲームであった。
前半のリバポはなんかおかしかったと思う。
トレイラの背後を取る能力は素晴らしい。ボールを回したいチームにとってはGKのフィード能力はマストになってきていることを感じる。
普通にアーセナルは強い、4位以内に入りそうだがどうなるか。
オバメヤンの左ハーフは守備がやっぱり怪しめ。
エメリの積極的な采配から追いつきアシストもイオビとただの良い監督にも思える。
ウェルベックを出てるとプレミアリーグ見てるなぁって思います。
以上。
神戸VS名古屋 戦略と戦術と
日本が誇る育成上手の風間八宏に対し、ペップの師匠と呼ばれがちでポジショナルプレーの生みの親と目されるリージョさんの対決。
選手もイニエスタやポドルスキにジョー、レジェンドの佐藤寿人や玉田さんと有名人たくさんの豪華な試合である。メンバーは以下
ザックが愛した伊野波がIHなのが興味深い。切り替え時の守備の強さが光っていた。
前半 神戸の攻撃と怪しすぎる名古屋の守備
神戸の攻撃
4-4-2(もしくは玉田が高い位置のままの4-3-3)で構える名古屋はセット守備も前からかける守備も不安定であった。特に単純な強度、ボールホルダーへの寄せが甘くゾーンで守っているが人には当たれていないことが多い。
また単純に誰が誰につくのかが曖昧で、間受けの達人イニエスタや降りてくるポドルスキにフリーで持たれてしまうケースが目立つ。
特にイニエスタはこんなにフリーでいいのかと思うくらいフリーで前を向くことが多く、ループパスにミドルとやりたい放題である。
そのうちの1本のループパスからポドルスキのボレーで先制は神戸。
この場面でもイニエスタへの寄せが終始甘く、そらやられるだろという切ない失点。
おもしろいのは関西大学出身の前川。
フィードが正確で直接イニエスタやポルディに渡す場面が多くいい貢献をしていた。
ビルドアップはイニエスタに渡しすことが多く、SBがビルドアップの出口になることもあった。
ポドルスキは右ハーフスペースから降りて受け、空いたスペースを藤田や古橋が使う形も多い。
決定的なチャンスも多く前半で決まってしまってもおかしくない展開である。
名古屋の守備
後ろに人が余っているのに対して中盤が人数不足で当たれていないことが多い。
中盤センターの二人は強度に欠けイニエスタに好き放題される展開。
特に気になるのは両SBと両SHの守備のあいまいさで、誰が誰につきどこまで寄せるのかが整理されていなかった。金井と櫛引の両SBは対面に基準となる相手がいないので混乱気味でもあった。
左サイドでは玉田がSBを放置することが多く、遅れて金井が当たりに行きSBとCBの間にスペースが生まれていた。そこをポルディや古橋、時々藤田に使われていた。
逆に右は前田と櫛引両方が行くので、その分中盤があいてしまっていた。
ただ神戸が外してくれたり、前線の強烈さでなんとかなりそうだったのを風間監督はどれくらい計算していたのだろうか
後半 名古屋の変更とそれに伴う神戸の振る舞い
名古屋の配置変更(442-352へ)
フォーメーションの数字など電話番号にすぎないと言ったリージョさんの試合で野暮ではあるが他に表現が思いつかず渋々書いてみた。
前半より後ろ4枚もいらんやんけ!となった風間監督は金井→和泉で352に変更
よりマッチアップの噛み合わせをよくする(御大曰くシステム噛み合わせ論である)
開始20秒でじょーの落としから小林がつなぎ玉田がゲット。質で決めたゴールともいえるし、ポジションを変えた玉田を捕まえきれなったのでナイス采配でもある。
開始早々の先生パンチから流れを掴んだのは名古屋、特にトップ下の玉田が左サイドに流れてからのドリブルでチャンスメイクも、フィニッシュに精度を欠き勝ち越しきれない名古屋。
前半に神戸が利用できていたスペース及び時間(SBのところやイニエスタとポルディ)を名古屋が消すことで、蹴りだすことが増える神戸。
前線は古橋ポルディなので分が悪く名古屋がボールを回収しマイボールにする展開が増える。特に小林がよく走りプレスを掛けていた。
前半より相手にもたれる展開となった神戸はカウンターで古橋が浮くところから攻撃するも、いかんせん枚数不足で攻めが細い。
名古屋は古橋を浮かせているのは狙いなのかどうか(もっとCBが当たったほうがいいと思うのだが、、、)
後半ポルディはあまり落ちすぎず前線に残るようになる(落ちる動きに対応されたからやめたのかそれとも単なる前残りなのかはわからなかった)
82分に古橋ーウェリントンで勝負をかける神戸。
83分右サイドにロングボールから抜け出したポルディが個人技で持ち込みゴール。
これがワールドクラスかと思わせるゴールであった。
名古屋が最後攻め立てるも決めきれず神戸が勝利。
感想
ありきたりだがイニエスタが上手すぎる。あれだけ当たれないのは相当なオーラが出ているはず。ポドルスキも流石の2発。
印象的なのは前川と古橋。
前者は正確なセービングとフィードで、後者は豊富な運動量と様々なタスクで貢献。
古橋はフィニッシュの精度が高まれば代表もあるかと思うんですがどうでしょうか。
対する名古屋、玉田さんがキレのあるプレーを披露し健在をアピール。
ただいまいまいちチームとしてどのようなプレーがしたいのかが見えずらかった。
現象ありきなレポになってしまったのは反省である。
精進しよう。